Thing-IF SDK の導入手順

以下の手順に従って、Thing-IF SDK と Kii Cloud SDK を組み込みます。

SDK の組み込み前に、対象のプロジェクトは Xcode 8 の Swift 2.3 で開発できることを確認してください。開発に使用する言語の詳細は サポートされる言語 をご覧ください。

SDK の組み込み

プロジェクトから Kii SDK を参照できるようにします。ここでは、CocoaPods を使って組み込む方法を示します。

  1. CocoaPods の準備

    CocoaPods を利用できる状態にします。設定方法については CocoaPods のガイド を参照してください。

  2. Podfile の準備

    Xcode のプロジェクトファイル(XCODEPROJ ファイル)と同じディレクトリに、以下のファイルを Podfile という名前で作成します。

    use_frameworks!
    
    target '__TargetName__' do
      pod 'KiiCloud', 'XX.YY.ZZ'
      pod 'ThingIFSDK', '0.13.1'
    
      post_install do |installer|
        target = installer.pods_project.targets.find { |t| t.to_s == "ThingIFSDK" }
        if (target)
          target.build_configurations.each do |config|
            config.build_settings['SWIFT_VERSION'] = '2.3'
          end
        end
      end
    end
    

    __TargetName__ にはプロジェクト名を指定します。プロジェクト名は、次のスクリーンショットのように Xcode 上で確認できます。

    SDK のバージョン部分 2 箇所はダウンロードしたいファイルのバージョンに書き換えてください。

    • KiiCloud

      XX.YY.ZZ 部分の最新版のバージョン番号は、開発者ポータル の "ダウンロード" のリンクより確認できます。

    • ThingIFSDK

      Thing-IF SDK は 1.0.0 未満のバージョンを指定します(最新版は 0.13.1 です)。1.0.0 以上は特定案件向けのバージョンであり、本ドキュメントの内容とは仕様が異なるため、指定できません。また、ソースコードを参照する場合も、GitHub のタグ機能を使って以下のように 0.13.1 を指定してください。

      https://github.com/KiiPlatform/thing-if-iOSSDK/tree/v0.13.1

    Podfile の後半は、Thing-IF SDK を Swift 2.3 で利用するための設定です。

  3. Kii SDK のダウンロード

    ターミナルを開き、プロジェクトのディレクトリに移動します。

    以下のコマンドを実行して Kii SDK をダウンロードし、プロジェクトから参照できるようにします。この操作により、Kii SDK が内部で使用しているフレームワークも自動的に設定されます。

    $ pod install
    

    コマンドの実行が完了すると、ワークスペースファイル(XCWORKSPACE ファイル)が作成されます。このファイルには、プロジェクトと SDK の関係を定義する情報が含まれます。

  4. ワークスペースの再オープン

    Xcode でプロジェクトを閉じて、ワークスペースを開き直します。"File" > "Open" の順に選択し、ワークスペースファイルを含むディレクトリまたはワークスペースファイルを選択して "Open" をクリックします。

    プロジェクトファイルを開いても、SDK は正しく参照されません。Xcode の起動時に表示されるウェルカムウィンドウには直前に開いたプロジェクトファイルが表示されるため、ワークスペースを開き直すときにはご注意ください。

その他のビルド方法

Thing-IF SDK の GitHub の README にあるように、Carthage または手動でのビルドも可能です。これらの方法を使用する場合、特に以下の点にご注意ください。

  • Thing-IF SDK のビルド前に、実行モジュールの署名に使用する開発者の証明書を開発用 PC にインストールしておく必要があります。また、プッシュ通知の設定で証明書を変更した場合、Carthage による再ビルドも必要になる場合があります。

  • ビルドされた Thing-IF SDK を Xcode のプロジェクトに組み込む場合、Embedded Binaries で指定します。Kii Cloud SDK は Linked Frameworks and Libraries で指定します。

  • 依存しているフレームワークの設定も必要です。詳細は Kii Cloud SDK の導入手順 をご覧ください。

プロジェクトの設定

Xcode 上で以下の設定を行います。

ビルドの設定

Xcode からビルドの設定を行います。

まず、モバイルアプリを Swift 2.3 でビルドするよう、"Build Settings" の "Use Legacy Swift Language Version" を "Yes" に設定します。サポートされる言語 に示すように、Thing-IF SDK では、Swift 2.3 の利用を基本としています。

次に、"Deployment target" にサポートする OS の最低バージョンを設定します。Thing-IF SDK では 7.1 以上に設定します。

iOS シミュレータでテストする場合、Xcode のバグによりエラーが発生することがあります。Kii Cloud SDK for iOS ではキーチェーンを使用しているため、シミュレータを使う場合に限り、"Keychain Sharing" をオンに設定します。

プログラムの記述

Kii Cloud SDK および Thing-IF SDK を使用するすべてのファイルに、以下の行を追加します。

import KiiSDK
import ThingIFSDK

注意:Version 2.6.0 未満の Kii Cloud SDK では Swift 利用のためにブリッジングヘッダーを用意する必要がありましたが、Version 2.6.0 以降ではこれが不要になりました。