Hello Kii
Hello Kii は、Kii Cloud を初めて使う方に向けた SDK の解説用アプリケーションです。Android、iOS、JavaScript の各プラットフォームに対応しています。
このアプリケーションの目的は、モバイルアプリで生成されたデータを Kii Cloud へ保存・取得する方法を解説することにあります。チュートリアルでアプリケーションの実装を確認することによって、Kii Cloud SDK を理解するための初めの足掛かりを得るのが目標です。
チュートリアルでは、API の使用方法のほか、Kii Cloud のデータ構造の基本概念、開発者ポータルの操作、このドキュメントサイトの利用方法なども説明します。チュートリアルの最後に、今後の情報収集を行うためのヒントや、実際のアプリケーション開発で必要となる機能の紹介も行います。
このチュートリアルは、各プラットフォームでのモバイルアプリの実装方法や開発環境の操作方法は、習得済みであることを前提としています。これらの情報については専門書や技術系 Web ページをご覧ください。
アプリケーションの機能
Hello Kii は、ユーザーのログイン機能と、データの一覧表示機能を持ったアプリケーションです。これらの画面で扱うデータは、Kii Cloud のアプリケーション領域内のデータと関連付けられています。
モバイルアプリはログイン画面とデータ一覧画面の 2 つを持っています。
ログイン画面
ログイン画面では、ユーザー名とパスワードを入力してユーザーを作成したり、作成済みユーザーがログインしたりする機能を提供します。
図の下半分に示すように、Kii Cloud では、ユーザー(KiiUser)ごとに独立したデータ領域を確保できます。たとえば、阿田さんの領域にはデータ(KiiObject)が 3 件、井田さんの領域には 2 件、宇田さんの領域にはデータなしなど、ユーザーに紐付いたデータ領域を扱います(この領域を ユーザースコープ と呼びます)。
ユーザーにログインさせる目的は、ユーザーごとにデータ領域を確保し、操作対象のユーザーを特定することにあります。同時に、ユーザーのログインによってセキュリティが確保されるため、他人の領域への不正なアクセスを防止できます。
Kii Cloud でデータを管理するには原則的にユーザーが存在している必要がありますが、エンドユーザーによる明示的なログインを行わずにユーザーを扱うこともできます。詳細はチュートリアルの最後に示します。
データ一覧画面
データ一覧画面では、デバイス上で作成したデータ(KiiObject)を Kii Cloud 上に登録したり、登録したデータを一覧取得したりする機能を提供します。Hello Kii では "My Object 1"、"My Object 2" のようなテスト用データを登録します。
Kii Cloud のデータ管理機能は、ユーザーごとに Bucket(バケツ = KiiBucket)を作成し、その内部にデータを格納する方式をとります。Bucket は複数個作成できるため、目的別にデータを整理することができます。Hello Kii では、
myBucket
という名前の KiiBucket を作成し、その内部に KiiObject を格納します。
対応プラットフォーム
Hello Kii は、Android、iOS、JavaScript の各プラットフォームに向けて、同等の機能を持ったものを用意しています。それぞれ、このチュートリアルの手順に従ってソースコードを入手できます。
Kii Cloud では、クラウド上のアプリケーションの領域を異なるプラットフォームから共有することもできます。たとえば、Android 版の Hello Kii を試した後、iOS 版の Hello Kii も試すと、Android から保存したデータを iOS モバイルアプリでも表示できます(ただし、Hello Kii にはプッシュ通知による更新通知の機能を実装していないため、ユーザーインターフェイス側にリアルタイムでの反映は行われません)。
各プラットフォーム向けのチュートリアルは以下のとおりです。