Thing-IF SDK

Kii は、IoT ソリューション開発のために必要な基本的機能を提供するフレームワークとして Thing Interaction Framework(Thing-IF)を提供しています。Thing-IF SDK は、この Thing Interaction Framework の機能を利用するための開発キットです。

Thing-IF SDK を使うと、Thing(モノ)を手早く Thing Interaction Framework に登録・接続できます。また、Thing をモバイルアプリと連動させることで、遠隔操作や遠隔監視システムを容易に実装可能です。さらに、指定の条件(例:「午前 1:00」、「部屋の温度が摂氏 30 度を越えた」)が満たされたタイミングで Thing を自動操作するトリガーを設定することもできます。

これら機能は、大量のコードを書くことなく利用可能です。

なお、Kii Cloud SDK 相当のプリミティブな機能要素を使って、きめ細かな制御を行いたい場合、Kii Cloud SDK for Thing によるチューニング に示す Kii Cloud SDK for Thing を使うこともできます。Thing-IF SDK と併用することもできます。SDK の選択方法は 機能モデル をご覧ください。

Thing-IF SDK の特長

IoT ソリューション開発に Thing-IF SDK の利用を検討すべき理由を以下に挙げます。

  • 多種多様な Thing や IoT ソリューションに対応できる柔軟性

    世の中には数多くの Thing や IoT ソリューションが存在します。これらはそれぞれ異なった能力や要件を持ちます。一例として、LED ライトはいくつかの設定値(例:色、明るさ)を持ち、ユーザーによるこれらの設定値の変更(例:色、明るさの変更)を許可することにより部屋の照明のカスタマイズ機能を提供しています。一方で、エアコンはまったく異なる設定値のセット(例:設定温度やファン速度)を持ち、これら設定値の変更(例:設定温度やファン速度の変更)というユーザー操作を提供するとともに、いくつかのセンサーデータ(例:現在の部屋の温度や湿度)を測定する機能を持ちます。

    様々な能力やニーズに対応するために、Thing-IF SDK は「トレイト」の概念を導入しています。トレイトは、利用する Thing が取り扱うデータ(「ステート」)と実行可能な内容(「アクション」)を定義する情報です。適切なトレイトを Thing Interaction Framework に登録することにより、IoT 家電やセンサー等といったあらゆる IoT デバイスが Thing Interaction Framework に接続できます。

  • 不正な操作を防ぐ安全性

    遠隔操作や遠隔監視は便利な機能である一方、正しく実装しないと致命的な問題を引き起こす可能性があります。たとえば、悪意を持った部外者が Thing を勝手に操作することは絶対に阻止する必要があります。また、部外者が Thing のステートを覗き見することも防ぐ必要があります。

    Thing-IF SDK でモバイルアプリを連動させると、Thing のアクションの実行やステートの閲覧は、特定のユーザーやグループ(オーナー)のみが実行可能な状態になります。部外者よるアクション実行やステート閲覧のリクエストは全て拒否されます。

  • ゲートウェイのサポート

    Kii Cloud に直接接続できない Thing のため、Thing Interaction Framework はゲートウェイ経由での接続をサポートしています。ゲートウェイ上で動作するコネクターを実装すれば、Bluetooth や Zigbee などしかサポートしない Thing でも、Thing Interaction Framework にステートを登録したりコマンドを実行したりできます。